アトピー性皮膚炎の3つの要因
@ アレルギー:食物、ダニなどに対するアレルギー
A 皮膚のバリアー機構の障害
B 皮膚の感染
これらの要因が複雑にからみ合ってアトピー性皮膚炎を生じます。
<治療方針>上記の要因を抑えるように治療していきます。
@アレルギーの原因になるものを出来るだけ避ける。
・ダニを減らす
・食餌制限:極端な食餌制限は栄養の偏る事があり、危険です。
成長期の子どもにとっては、偏りなく栄養をとる事も大切です。
具体的な食餌制限に関しては、主治医にご相談下さい。
・抗アレルギー剤の内服をする事もあります。
Aスキンケア
・皮膚の乾燥を防ぐために、「保湿剤」を塗ります。
・炎症を抑えるために、塗り薬(ステロイド剤、非ステロイド剤、
漢方薬など)を塗ります。
・痒みを抑えるために、「痒み止め」を使います。
乾燥した皮膚を掻く事で皮膚が傷つき、バリアー機構が傷害されて
炎症をおこしやすくなります。
皮膚を掻かない事が治癒につながります。
★ステロイド外用薬について
ステロイドの副作用を心配する方が多いのですが、炎症の強い時には
ステロイド剤を使って、炎症を早く治めてあげるのも良い方法です。
ステロイド剤を使うかどうかは、皮膚の状態を見て、本人あるいは、
保護者の方と相談した上で、出来るだけ短期間使用します。
一般的には作用のおだやかなmildの薬を使い、症状の強い時には
strongの薬を使います。
★漢方軟膏
炎症を抑えたり、保湿作用で皮膚を守ります。
当院では「紫雲膏」をよく使います。
★強酸性水
アトピーの皮膚にはブドウ球菌などの細菌が感染しやすくなります。
強酸性水は殺菌作用が強く、皮膚についた菌をやっつける事で、
皮膚をきれいにします。
B感染症のコントロール
アトピーの方の皮膚は感染症をおこしやすくなっています。
ブドウ球菌が悪さすることがありますし、
「とびひ」「帯状疱疹」「単純ヘルペス」などの感染症を起こす事もあり
ます。
皮膚を良い状態に保ち、感染を予防しましょう。
感染がおこれば早めに治療しましょう。
<リンク>
アトピー性皮膚炎について一緒に考えましょう
アトピー性皮膚炎 治療のEBM(九州大学皮膚科)
日本皮膚科学会
アトピー性皮膚炎ガイドライン(日本皮膚科学会)
アトピー性皮膚炎